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散々焦らされた身体は貪欲に欲望を飲み込んでゆく。 「ああ・・・」 と小さく歓びの声を上げる響を見て、謙吾の口端が満足そうに上がる。 響の中は熱く、離さないとでもいうように嚢が謙吾自身に絡みついてくる。 少し馴染ませてから、弱いところを掠めるように突いてやると、背を大きく撓らせてその白い喉を差し出した。 その白い喉に幾つもの赤い花が散る。 「あぁ・けん・・ご・・もっと・・」 響の理性は半分飛んでいる。こうなった響は、どこまでも欲望に素直だ。 「気持ちいいか?」 その問にも素直にコクコクと頷く。 「んっ、もっと奥・・して・・」 と かわいいことを強請ってくる。 その夜、散々焦らしながら、響の口から厭らしいことを強請らせた謙吾は満足そうに その力つきてぐったりとした身体を抱きよせた。 「響」 もう呼んでも、意識が朦朧としているのか、睫毛を震わすだけだ。 「仕方ねぇな」 そう呟く顔はひどく嬉しそうだ。 謙吾は濡れタオルでその身体を丁寧に清めてやる。 そして綺麗な曲線を描く双丘から肩まで続く美しい背のラインを慈しむように指で撫でる。 白い陶器のような肌は 滑やかで触れているだけでも心地よい。 ふと肩のキズに視線がいった。 美しい肌にこのキズはやはり禍々しいものに映る。 謙吾は今まで、このキズに対して自責の念と小山に対するやり場のない怒りだけを感じていた。だからこそ響はそれを敏感に感じ取り、俺に このキズを晒すまいと隠していたのだ。
『まいったな・・ 俺を愛してる証か・・・』 さっき風呂では、ただ響を安心させてやりたくて、このキズに触れた謙吾だったが、今は 疎ましいはずの このキズが愛おしくさえ感じる。 謙吾はそっとキズ痕に再び唇を寄せた。 キズの上をなぞるように舌を這わし軽くそこ吸い上げた。 すると、 「ん・・」 すでに寝入ってしまったとばかり思っていた響が甘い吐息を漏らす。 「ここ感じるのか?」 と訊くと、 「ん・・」 もう意識はなく朦朧としているのだろう。無意識に肯定してくる。 額の汗で張り付いた髪を指で優しく梳いてやると軽くキスを落とす。 「なぁ、響・・」 どうやら、もう完全に寝入ってしまったらしい。 謙吾の腕に身を預けながらスヤスヤと穏やかな寝息を立てている。 「まだ訊きたいことが沢山あったんだがな・・」 今夜こそは、養子の件の返事をもらうつもりでいたのだが、つい歯止めが効かず、意識を無くすまで、抱くのを止められなかった。 「おまえが俺を焦らし続けるから悪いんだ。」 そう 謙吾は響の耳に囁きかけると、あの日から響の左手の薬指に輝いているプラチナのリングを指先でそっとなぞった。 ブツブツ文句を言っていた割には、響がそれを一度も外していないことを謙吾は知っていた。 『まぁ、響の気持ちはだいぶ分かった。 後はこの旅行から帰ったらサインさせればいいことだ。』 響の自分に対する想いを確認しても、いや確認すれば尚更、早く自分の身の内入れてしてしまいたい思いが募る。 「愛しいか・・・」 そんなふうに人を愛せる日が来るなど考えてもいなかった。 謙吾はその腕に愛しい人を包むように抱きしめると瞼を閉じた。
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